FASHION TIPS
物価値上げとともに始まった2008夏商戦は、5月のガソリン税率ショックによる消費意欲減退、6月の梅雨入り前倒しによる天候不順と散々の状況で苦戦しました。7月はセールで最初こそ好調でしたが、年金問題や少子化による将来不安が消費者心理に影をおとし、エコロジーの視点からも大量消費への罪悪感など「買わないムード」が広がりつつあります。
景気後退と物価高騰、国家財政破綻と増税不安、「蟹工船」が再注目され若者が将来に絶望するような社会状況のもと、生活防衛意識の高まりで衣料消費が抑制され、所得格差による消費者の価値観の変化が顕著です。年収200万円以下の通年労働者が1000万人を超え、多くが20代を中心とした若年層です。
かつて、ファッション消費をリードした若者が、経済的要因からブランド離れを加速し、デイリーでカジュアルなローコストファッションの需要を高めています。おおむね百貨店ブランドは不振、ファッションビルや駅ビルブランドは好調、何よりも「ユニクロ」が売り上げを大幅に伸ばしています。市況悪化の国内で、2008年8月期の第3四半期で売上高前年比9.1%増、営業利益36.3%増と気を吐いています。「美脚ボトムス」「UT」「ブラトップ」「ドライ機能素材」などキャンペーンを効果的に仕掛け人気タレントの登用も当たり、販売効率をアップしています。
一方でレディスセレクトショップの草分け「ザ.ギンザ」が33年の歴史に幕を閉じ2009年1月に閉店します。数多くのブランドを日本で最初に紹介し、上質なコンテンポラリーを貫いたショップの退場に時代の変化を感じます。
また2004年の開店以来、青山のセレクトショップブームを牽引してきた「ラブレス」が、この秋からオリジナルとレディスを強化し「上質でリーズナブルな品揃えで消化率を高める」戦略に切り替え、オリジナル比率を10-15%から25-30%まで引き上げ、レディスの売り上げも全体の4割に引き上げるそうです。代官山のカラー・バイ・ナンバーズの跡地に2店舗目もオープンし多店舗化へも乗り出します。
さらに、この秋には話題のH&Mが日本上陸し、銀座と原宿にオープンします。
消費構造の変化に対応する各ショップの動きはいよいよ熾烈になり、生き残りをかけたコスト圧縮、業務プロセス革新が求められます。その中で「買う楽しさ」が再び消費者に戻ってくるのか気になるところです。
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